今日ご紹介の患者さんは切開二重術をおうけになられた後にルーフ:ROOF(retro orbicularis oculi fat)切除をお受けになれられた症例です。
上段:二重切開術前です。 (上眼瞼の黒い線はマーキングの線になります) 中段:二重切開術術後約8ヶ月後再診時です。 下段:ROOF切除後約2週間です。 (写真は患者さんの快諾を得て供覧しています) 初診時は厚ぼったい瞼だったので眼窩脂肪および瞼板前組織、隔膜前脂肪の切除および余剰皮膚切除を行いかつ目の見開きを良くする為に眼瞼挙筋の処理を行いました。 しかし上瞼の厚ぼったさがまだあるとのことでご相談をうけ、これはルーフ(ROOF:retro orbicularis oculi fat:位置的に眉毛の下、深さ的に眼輪筋の下にある脂肪の塊です)が影響していると判断しROOF切除を行いました。 術中所見としてはかなり厚めのルーフ:ROOFが存在していました。 今後腫れが落ち着くにつれ腫れぼったさが改善したのがよりはっきりとわかると思います。 閑話休題 先日奈良にいったせいか新聞の奈良関係の記事が目につきます。 奈良県の職員の休暇不正問題、搬送病院先たらいまわしの結果妊婦死亡事件、そして最近の酔って頭部外傷を受傷した男性を救急隊が搬送を拒否し翌日意識不明となり脳内出血が判明した事件等・・ おっとりとした奈良は好きですがこのような事件はおこってほしくないものです。 そういえば以前、形成外科の先輩の当直話としてその先輩が当直中に酔って顔面外傷を受傷した患者さんが夜中にきてフェイスリフトばりにチマチマ縫合して帰したら翌日朝亡くなっているのが発見されたという話を聞いたことがありました。 死因はやはり脳内出血だったそうです。 酔った人の頭部外傷はどんなに一見軽度でも必ず頭部CTを! は救急医の鉄則ですが案外と他科の医師は自分の専門領域に意識がついいってしまうため見落としがちです。 奈良県の消防隊は「泥酔状態で、鼻血と左顔面に擦り傷があったが、痛みを訴えていなかったことや会話もできたことから、救急搬送の必要性は低いと判断した。判断は適切だっと思う」とコメントされているようですが救急医がこれを聞いたら激怒すると思います。 しかし現場の苦労としてはこの酔った人というのはホトホト困ります。 ひどい人になると顔面から血がどんどんでているのに処置しようとしても「痛ぇ なにすんだ てめぇ」と殴られそうになることもしばしばです。かといって「じゃぁ ご勝手に」と管理責任がある立場としては放置できません。 時々当直の際にこのような大トラさんに出会います。 患者さんから暴力を振るわれる危険、 誤診の可能性が生じる危険 など非常に高リスクなのが救急現場です。 それなのに他科の医者からは知識や技術が浅く広くのせいか馬鹿にされ(馬鹿にする医師の方が愚か者だと私個人は思っていますが)納得のいかない先生方も多いと思います。 しかしここではっきり言います。 「救急医は素晴らしい。」 頑張ってください。 これから年末にかけてお酒を飲む機会が増えると思います。 ほどほどにするようお気をつけください。 #
by shirayuribeauty
| 2006-11-21 23:59
| 美容外科
今日は先日再診にいらした脂肪細胞移植豊胸による患者さんの術後経過の紹介です。
初診時は他院でSubQ(ヒアルロン酸)豊胸をお受けになられた後でのご相談でした。 SubQが入っていると脂肪細胞の定着に悪影響を及ぼす恐れが充分考えられたので案としてはそのままSubQで豊胸を行うか、SubQを一度分解してから脂肪細胞移植を行うか、SubQ豊胸を行った医師にSubQを注入した層と異なる層にて脂肪細胞移植をしてもらうかが考えられました。 今回は結局SubQを一度分解してから脂肪細胞移植を行うことになりました。 上段: SubQ(ヒアルロン酸)分解注射注入前です。 中断: 分解されて通常の状態に戻った状態です。 下段: 脂肪細胞移植後9日目の再診時です。 (写真は患者様の快諾を得て供覧しています) 他院で注入されたヒアルロン酸は乳房の上部にはいっており乳房のフォルムとしては美しいといい難い状態でした。 触感もしこり状になっていましたがヒアルロン酸分解注射によりきれいに消失しました。 その後左右200ccずつ脂肪細胞を移植しています。 脂肪細胞を200cc以上(例えば300ccずつ等)移植すれば術後見栄えがよくなるのですが、やはり可能な限りしこりや石灰化の合併症の発生確率を抑えるために上限を200ccとして何回かにわけて除々に大きくする手法を私はとっています。 今回の脂肪もしっかりと着いてくれますように! #
by shirayuribeauty
| 2006-11-20 22:42
| 美容外科
まず今日は11月15日に記載したブログ分についてです。
今日の患者さんで肛門美容外科手術の術前、術後の写真ブログ掲載を快諾してくださった患者さんがいらっしゃいましたのでどのように載るかを診察後カウンセリング室でお見せしようとしたところ「??? あれ? ない?」となりエキサイトに削除されたことが判明しました。 どうやら術前術後の写真がエキサイトのなんらかの規約に抵触するようなので再度写真抜きで文章のみで載せます。 以下11月15日記載分です。 「肛門領域の病気といえば痔が有名ですが痔といっても)痔核、2)裂肛、3)痔瘻の三大疾患がありそれら3つの治療で肛門科の患者さんの多くが占められています。 他にも脱肛、肛門皮垂(skin tag)などの疾患がありますがskin tagに関しては見た目は悪くても内外痔核が奥にない場合は「病気でないからそのままで大丈夫」と肛門科医に突き放されてしまう患者さんがしばしばいるようです。 婦人科手術の御依頼の際に相談が多いのがこのskin tagに関してです。 今回ご紹介の患者さんは肛門部の隆起を彼氏に指摘され肛門科にいくも様子見でいいでしょうといわれて困っていたとのことでした。 本人は疼痛や出血等の自覚症状はなく彼氏が気持ち悪がるのがいやだとのことでした。 (写真は患者さんの快諾を得て供覧しています) 1.術前です 2.術直後です 3.術後2ヶ月です エキサイトの規約に写真が適さないようなので載せません skin tagは消失し綺麗になられてよろこんでいらっしゃいました。 生物はsymmetry(対称)な形態を美しいと感じる習性がありますから(例えば雄クジャクのあの美しい羽もメスは色彩よりもsymmetry(対称性)に惹かれるようです)、skin tag等の存在によって対称性が損なわれるとマイナス点として脳にインプットされるデメリットが存在するため、無症状といえども美のために切除、形成するという考えは先進的でこそあれ恥ずかしがる必要はないと思います。 口腔から肛門までの領域は人体の栄養の摂取、排泄をつかさどる非常に重要な経路ですが痔を始めとする肛門領域の治療に真面目に取り組む医者は他の領域の医師達から蔑視される傾向が歴史的にありました。イギリスでは肛門科医を pile doctor という蔑称で呼ぶ医師たちがいました。 美容外科領域でも非常にマイナーで全く評価されない分野になりますが職業に貴賎なしならぬ臓器に貴賎なしの考えからいけば同部位の形態を整えて差し上げるのも美容外科医術の貢献できる箇所だと思います」 以上 11月15日記載分です。 今日の紹介症例は鼻プロテーゼ抜去です。 鼻プロテーゼを抜去にご相談にこられる方みな術後の鼻の変形等をきにされますが通常まずそのようなことはおこりません。 プロテーゼが入っていたまわりにカプセルが形成されますのでその分多少鼻背のボリュームがアップするので術前よりは微妙に鼻が高くなるケースが多いようです。 上段:術前(他院にてプロテーゼ留置術を受けています) 下段:プロテーゼ抜去後術後約半年です 術後経過良好とのことでした。 #
by shirayuribeauty
| 2006-11-19 22:33
| 美容外科
鼻柱下降術の患者さんの紹介です。
鼻柱下降術は用いる材料として 1.ヒアルロン酸 2.耳軟骨 3.プロテーゼ 等があります 1.の長所は手軽に施術可能な点、 短所は鼻根部とことなりヒアルロン酸は同部位に保持されにくいことです。 2.の長所は自己組織のため定着すれば半永久的な点、短所は採取部位を傷つける点です。 3.の長所は形態の加工が容易であり抜去も容易である点、短所は移動や感染の問題がある点です。 これらの長所、短所を考慮していただいて鼻柱をさげる術式を患者さんに選択していただいています。 左:術前 右:術後 (写真は患者さんの快諾を得て供覧しています) 鼻柱がさがりすっきりとした印象になりました。 今日はBLS(Basic Life Support)の更新トレーニングに行ってきました。2年ぶりの更新トレーニングでしたが心臓マッサージの回数と人工呼吸の回数が成人、小児は30:2となっており(小児は二人体制の時は15:2)、AED:Automated External Defibrillator「自動体外式除細動器」の使用もトレーニング内容に加わるなど蘇生術の基本ガイドラインも変更点がいくつかありました。テストも無事満点で終了しツイてました。 BLSはAHA(America Heart Association)が作成したガイドラインに基づくトレーニングですが米国はこのようなシステマティックなトレーニングシステムや評価システムを作るのが上手いと思います。 システムによって技量というのは信じられないぐらい飛躍的に伸びます。 日本の医療システムは総体としてはWHOが一位と認めるものですが医師の個々の技量を伸ばすシステムに関しては残念ながら米国の後塵を拝しているように感じます。 米国は今でもあのミッドウェイ海戦をコンピューターブラフィック化し毎週のようにケーブルテレビでその映像と解説を流しているような国です。 「なぜあの時勝てたのか?」 戦勝国でありながらもそれを大衆レベルの番組で今でも分析しているのに、かえす日本ではまったくそのような状況ではありません。 「何故負けたのか?」 負けた事実を直視することは確かに辛いことです。 しかし敗戦にも学ぶ点がいくつもあるはずです。 表層的な事象のみを記憶する学校の歴史教育のあり方が日本人の思考力の深みを奪っているように感じます。 この米国の「何故?」 という考える原点がより良質なシステムを作り上げる原動力になっていると思うのです。 #
by shirayuribeauty
| 2006-11-18 23:14
| 美容外科
今日は二の腕脂肪吸引の患者さんの症例のご紹介です。
五ヶ月前に二の腕の脂肪吸引をされた患者さんです。 上段: 術前です 下段: 術後です ほぼ完成に近づいてきました。 お顔は脂肪排泄促進注射をお打ちになられてかなり効果がでていました。 何故か脂肪排泄促進注射はお顔には結構効果的です。 お顔に効果的な方でもふくらはぎの脂肪にはあまり有効でなかったりして同じ脂肪でも部位によって効き方が違うのが不思議です。 頬の脂肪でも普通の頬の皮下脂肪とバッカルファットでは肉眼的性状が異なるのと同様に身体の部位によって脂肪細胞の性質が異なるものと思われます。 #
by shirayuribeauty
| 2006-11-17 23:14
| 美容外科
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