今日は1805年に 華岡青洲が日本初の麻酔を使った手術に成功した日になります。
また40年前の1967年 に世界初の心臓移植が南アフリカで行われました。 本日ご紹介の患者さんは膣縮小術をお受けになられた患者さんです。 性的な内容を含みますので未成年の方および性的な内容が御不快な方は閲覧をご遠慮ください。 本日ご紹介の患者さんは膣縮小術をお受けになられた患者さんです。 既往としては出産経験が一度ありその後膣の内腔が広くなった感じがするとのことでした。 膣腔内を狭くするには以下の方法があります。 1.筋力訓練による方法 2.注入物による方法 (ヒアルロン酸、コラーゲン、自己脂肪組織等) 3.手術による方法 人体に対する侵襲は可能な限り少ない方がよいので選択順位は1から順番になりますが、筋力訓練の方法は効果がでるまでに時間と努力を要する点、および経産婦の方は膣周囲の括約筋の損傷が原因でゆるくなっている可能性がありますので筋力訓練だけで完全に満足のいく結果が得難い場合があるのが欠点になります。 2.の注入物による方法は膣周囲には静脈叢がありますので誤注入を起こせば肺塞栓症という重篤な結果を生じる可能性がありますが解剖を熟知した医師が行えば安全に効果が得られるのが利点になります。 未産婦の方は将来の出産の可能性を考えると可逆性のあるヒアルロン酸注入による膣縮小が第一選択になると考えます。 3.の方法は手術なので効果は確実ですが感染等のリスクがないわけではない点が問題になります。 稚拙(ちせつ)な手術が行われれば効果がなかったり入口のみ狭くなり性交痛の原因になったり「膣直腸ろう」という最悪な事態になり得ます。 今回ご紹介の患者さんはそれぞれのメリットデメリットをお話しまず2の方法から施術を行いました。 SubQヒアルロン酸10mlでご満足いかれる方がほとんどなのですが残念ながら効果を感じたのが最初の一週間程度だったので追加注入を行うよりも手術をしたいとの強いご希望にてヒアルロン酸注入後2か月の時点で手術を行うこととなりました。 現時点で術後約1か月です。 ![]() この手術をお受けになられる方は当院では多いのですが皆様は恥ずかしがって再診の足が徐々に遠のきなかなか結果に満足かどうかコメントしてくださいません。しかし今回ご紹介の患者さんは術後約2週の時点で自己確認目的にて膣に指をいれて出血されびっくりされたせいかその後の再診もきちんときてくださり性交渉の感想も「効果ばつぐん」と述べてくださいました。 医師の許可がでるまで(術後約1か月)は指等異物をいれたり性交渉をおこなってはいけません。 「治りがおそいのは気にしていません」と記載されていますがこれはおりものの件になります。 膣内にはデーデルライン桿菌という乳酸菌の一種が常在しており膣の清浄を保っていますが手術により細菌叢が乱れるため一時的におりものが多くなります。 先日の再診時に最終的な抜糸を行い乳酸菌を処方しましたのでおりものも徐々に改善していくでしょう。 この膣の縮小術で患者さん方から受ける相談は心痛むものもあります。 「彼氏にゆるいと言われた」 「夫が浮気するようになったのは自分の体のせいではないか?」とか 等々 1.未産婦の方々のケース 診察を行うと未産婦の方で手術を要するほどゆるくなられている方はほとんどいません。 「普通の範囲内ですよ」とお話して差し上げてもご納得がいかれない場合はヒアルロン酸注射でほぼ全員御満足され、手術まで最終的に至られた方は未産婦の方では数える程度しかいらっしゃいません。 しかしそもそも普通の状態である女性に対して「ゆるい」という男性はいかがなものでしょうか? この手術をご希望される方は自分の体を傷つけてまで相手に合わせるという状態がベースにあるせいかどの患者さんもほんとうに心優しい雰囲気の女性ばかりです。 なんだか切なくなります。 「あなたのが小さいのではなくて?」 とさらりと切り返してもいいと思います。 2.浮気の原因を自己の体に求めるケース あくまで私の感覚での話になりますが性器が原因で浮気をするというのは通常ないと思います。 通常 浮気の原因は他にあります。 女性側が肉体的に気をつけることと言えば身だしなみを清潔にすること、加齢により口腔内の免疫能力が落ちますので歯槽膿漏や歯へのプラーク蓄積に伴う口臭の発生に気をつけること(これに対する予防法を当院で行ってほしいとの要望が多いためこれに対する対策としてPMTC診療を開始する予定です)、陰毛の白髪に気をつける程度でよいと思います。 膣を狭くすれば男性をつなぎとめられると考えるのは危険です。原因が異なるのに手術をいうリスクを犯し金銭的な負担まで負うのは踏んだり蹴ったりの状態ですから熟慮が必要です。 浮気を自己の体のせいにして悩まれる方々も皆さんほんとうに心優しい雰囲気の女性ばかりです。 やはりなんだか切なくなります。 私の経験では最終的に外科手術に至るのは1.職業上そのような肉体が必要な方、 2.正常の範囲内だが自分の肉体を傷つけても相手のことを思いやる愛情深い女性 3.先天的、または出産等の後天的要素により手術でないとある程度の狭さを得難い場合 4.性生活も含めて人生をポジティブに楽しみたい方 等になります。 手術をお悩みの方はご不安でいっぱいでしょうか同様の手術をご希望される方は意外と多く決して自分だけではないかと悩む必要はありません。 しかし実際外科手術まで至らなくても解決したり、お悩みの問題が別にあることも多いものです。 恥ずかしがらずにいろいろと相談していただければそれに合った解決方法を提示して差し上げられると思います。 お心遣いをいただきました。 ![]() ありがとうございます。 どうか御気を遣わないで下さい。
by shirayuribeauty
| 2008-12-03 09:37
| 美容外科
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