先日カウンセリングにご遠方より若い女性が目と鼻の手術痕についてご相談にこられました。
初見からして目の色は疲労と怒りと不信に満ちている感じがしました。
お話を伺うと既往として某有名形成外科医院にて目の切開と小鼻縮小術を行ったがその傷が気になるとのことでした。 その医院でも他のキズ修正で有名な医院でも修正手術を何度も重ねたけれども人前に出られる状態ではないとのことでずっと悩まれてきたとのことでした。 私の個人的印象としては目のほうはそれほどひどくはないと感じましたが鼻のほうは確かにキズ痕が目立つ状態でした。
「小鼻縮小の外側法でこんなところまで切ったのだろう。 こんな形とキズのせいでずっと外へ出られなかった。 何度も死を考えた。」と目の前でお泣きになられお辛い状況であることがよくわかり私もどうにかして差し上げたいと思いました。 しかしあまりにも精神状態が不安定なため私にも成功する自信がない旨をお話すると「いろいろ相談に回って精神科に行けといわれますが自分ではこの状態(形、キズ)が原因だとわかっているからこの状態をまず治したいです。」と言われました。 もっともな意見でもあるのですが手術というものが100%の満足を保証できるものではない以上、やはり現在の精神状態で修正手術をご遠方からの来院で行うのはやめたほうが良いと考える旨と鼻翼が切り取られすぎていて物理的に患者さんが満足のいく結果をだす手術が一度で私にはできないであろう旨をお伝えしました。
ご立腹されたのか「もういいです。」と言われドアをバタン!と閉めお帰りになられました。 ご遠方からわざわざいらして私の返答内容に失望が大きかったのだと思います。
お役に立てず申し訳なく思います。
最近修正手術のご相談が多いのですが多くの皆さんに共通することは「術前に担当医からこんな風になるなんて聞いていなかった。」、「キズがどうなるか写真で見せてもらってなった。」、「仕上がりについて症例写真を見せてもらえなかった。」という内容になります。
美容外科手術は本来生命維持には必要のない手術ですから(容貌により命に関わるほど精神を病んでいる場合を除く)、慎重にメリット、デメリットを熟知されてから手術をお受けになるか否かを判断されるのがよいと思います。 どんな医師でも100%の成功はありません。 だからこそ安易に考えず甘言や宣伝に弄されず総合的に判断していただきたく思います。
最後に不信と絶望に満ちていた患者さんへ
君 死ぬこと勿れ 貴女の存在は約30億年以上も前に地球上に生命が誕生してから現在まで脈々と続いた命の存在証明です。
お顔の皮膚の状態や造形は時間と手間をかければ必ずよくなります。 よくなることを信じられず悲観して命を絶つことはもったいないことです。
まず定期的に通えるお近くの医師のもとでキズ痕を改善し、精神的に落ち着いた後に構造的問題を自分がどのような形態を望むのかはっきり明確にして医師に依頼するのがよいと思います。
私でよければ生活基盤をこっちに移して、状態がよくなるまであきらめず何度も何度も通院する覚悟があるなら付き合います。
本日ご紹介の患者さんは乳頭縮小術(Lewis法)を若先生にてお受けになられた患者さんです。
上段:術前です。
下段:術後1ヶ月再診時です。(写真は患者さんの快諾を得て供覧しています。)
順調な経過です。
先日若先生がお心遣いをいただきました。
ありがとうございます。 どうか御気を遣わないで下さい。