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乳輪縮小、乳房固定術  :  医療法
最近、保険診療において診療報酬を不正請求したとしてあるクリニックが神奈川社会保険事務局に保険医療機関の指定を取り消されるという事件がありました。

保険医登録を取り消された理事長の抗弁としては「不正請求はしていない。行政訴訟で処分の取り消しを求めていく」とのことのようです。

その理事長は旧厚生省の元技官であり診療報酬の不正を点検する医療指導監査官を勤めていたようですが、もしその知識を悪用して詐欺行為を働いていたとしたら最低極まりません。

しかしこの保険医療というもの自体がやっかいなものでどんな一流病院でも非常に厳密な意味でいえば不正がないところはありません。 不正という意味の定義にもよりますが例えばちょっとした手術でもそれよりちょっと大きめな手術としてより大きな点数として請求するということがしばしばあります。

これが私が保険診療がいやだな と思う一面であるところは事実です。
ちょっとヌケガケする者が得をしてしまうシステムというのは好きではありません。

けれどもこの保険診療のシステムによって日本は世界に冠たる医療システムを保持している面もあるのであり功罪両面あわせもつというところでしょうか。

完全に市場原理にゆだねるわけにはいかないところが福祉の面をもつ医療の難しいところだと思います。

さて前述のクリニックがどの程度の不正を実際働いていたのか私には知る由もありませんがこのクリニックのチラシが私の部屋の郵便ポストによくはいっていました。

細かい手術メニューとその金額が記載してあるチラシを各戸に配布している時点で私としてはかなり胡散臭く感じてしまいます。

なぜなら医療機関というものは医療法にて次のように定められているからです。

医療法第5章
第69条
医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関しては、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も次に掲げる事項を除くほか、これを広告してはならない。
1.医師又は歯科医師である旨
2.次条第1項の規定による診療科名
3.次条第2項の規定による診療科名
4.病院又は診療所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
5.常時診療に従事する医師又は歯科医師の氏名
6.診療日又は診療時間
7.入院設備の有無
8.紹介をすることができる他の病院又は診療所の名称
9.診療録その他の診療に関する諸記録に係る情報を提供することができる旨
10.前各号に掲げる事項のほか、第14条の2第1項第4号に掲げる事項
11.その他厚生労働大臣の定める事項


10.の第14条の2というのは
第14条の2 病院又は診療所の管理者は、厚生労働省令の定めるところにより、当該病院又は診療所に関し次に掲げる事項を当該病院又は診療所内に見やすいよう掲示しなければならない。
1.管理者の氏名
2.診療に従事する医師又は歯科医師の氏名
3.医師又は歯科医師の診療日及び診療時間
4.前3号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項【則】第9条の3 ・第9条の4
 助産所の管理者は、厚生労働省令の定めるところにより、当該助産所に関し次に掲げる事項を当該助産所内に見やすいように掲示しなければならない。
1.管理者の氏名
2.業務に従事する助産師の氏名
3.助産師の就業の日時
4.前3号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項

となります。

よって医療機関による上記事項以外の記載内容のあるチラシや雑誌広告というのは医療法違反となります。
しかし法の抜け道として広告の端っこに●企画・取材・製作・発行/○○○と記載してあるのがミソです。
これによって医療機関そのものが広告しているのではなくて○○○という会社の取材を受けたという形態にしてその広告が○○○が発行しているとなると医療機関が罰せられなくなります。 その○○○が実際は医療機関の子会社のようなものだとしても。

このチラシ広告というものが医療法の基本精神を骨抜きにする行為か否かを厚生省の元官僚が知らなかったはずがありません。 知らなかったとしたら・・・日本に絶望はしたくないので考えないでおきましょう(笑)

さて今日ご紹介する患者さんは乳輪縮小および乳房固定術をお受けになられた患者さんのご紹介です。
上段:術前です。
中断:初回術後です。
下段:再手術後約2ヶ月です。(写真は患者さんの快諾を得て供覧しています)
乳輪縮小、乳房固定術  :  医療法_d0092965_2492272.jpg

お悩みとしては乳輪が大きく乳房が垂れていらっしゃるという点でした。よって乳輪を小さくし乳房を引き上げる手術として乳輪縮小および乳房固定術をお受けになられたのですがより乳輪を小さくされることをご希望されたため再手術を行いました。 現在は乳輪の周りに余剰皮膚が寄っていますがこれは一年ぐらいかけて序々に消失して馴染んで目立たなくなっていきます。
by shirayuribeauty | 2007-02-15 23:59 | 美容外科
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