今日は睫毛植毛の紹介です。
睫毛植毛は後頭部の髪付き皮膚を1×2cm程度採取してそれを細かく分けて(株分けといいます)それを睫毛に植毛する手術です。
長所は 睫毛がまさにたくさん増えてエクステいらずになります。
短所は 後頭部の毛がそのまま睫毛として生えてきますのでパーマ等の手入れが必要になりますし睫毛がバサバサした感じ(それを希望される患者様が多いですが)になります。
元々生来の睫毛のように方向が綺麗に完全に揃うわけではありません。
睫毛植毛のコツは
1.綺麗に株分けをしてくれる職人さんの存在(これをカッターさんと業界では呼びます)
2.医師が植毛の毛の質や本来入れるべきライン、方向、位置等を的確に理解して植毛していく
3.眼球を絶対傷つけない事!
の3点が非常に重要です。 コツを会得していない医師に施術されますと内反睫毛(毛が眼球の方に向く状態)になったり、パーマをかけにくい睫毛、外観上変な睫毛になってしまいます。 これを直す方法はありますがここでは割愛します。
今回は患者さんには陰の存在ですが植毛の成功の成否をわけるカッターさんをご紹介したいと思います。
1.私が採皮した後頭部の髪付き皮膚を大ベテランのカッターさんが細かく株分け開始しています。
2.拡大鏡を使って一本、一本丁寧に分けていきます。
3.こんな感じで分けています。
4.一本一本を拡大するとこんな感じです。
上記のこの一本一本株分けした毛根付きの髪をchoi式という特殊な器具で睫毛に移植していきます。
カッターさんの株分けのうまさによっても植毛の定着率は異なります。医療行為はこのように医師だけの力量ではなく医療従事者の全員の力の総和が結果として表にでてきます。
外科医は手術が無事成功するとよく患者さんから「ありがとうございました。」と感謝の言葉をいわれたりお礼をもらったりしますが実は外科医の力だけで成し遂げているわけではありません。その裏には多くの人々の協力があるのです。