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preceice脚延長 ( 下腿骨 4.4㎝ 延長 )術後1年再診時
本日ご紹介の患者さんは NuVasive社のpreciceによる脚延長術をお受けになられて術後 約1年になる患者さんです。


左:術前です。         右:術後約1年再診時です。
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本来8㎝伸びる髄内釘を使用しましたが、患者さんが4.4㎝の延長で「もう満足でこれ以上延ばさなくても結構です」とのことで延長完了とした患者さんです。

身長も4.4㎝伸びました。

今まで当院では5㎝以上の延長をご希望される方々ばかりでしたので8㎝までの延長をご希望されるかと思っていて、意外でしたが患者さんのご希望に沿い 延長を終了しました。

歩行していて6kmを超えると脛の前側が張ってくる感じがまだあるとのことでした。

ご感想は「大満足(5/5)」と順調な経過です。

今後骨化がより完璧になったら抜釘術をおうけになられることをお勧めいたします。

抜釘術を推奨する理由は
1.長期に留置をしておくとチタンと骨の癒合が強固になり抜釘が困難になるため
2.米国のFDA認可が取れてるとはいえチタン合金の髄内釘を体内に長期おいておいくことによる人体への長期予後が不明のため

の2点になります。

またのご来院をお待ちしております。


脚延長術の一般的なリスク・デメリット
・関節拘縮
・骨の変形治癒
・感染→骨髄炎
・傷跡が気になる可能性   等   があります。

各脚延長術の代表的メリット・デメリット 
Taylor Spatial Frame 
メリット
・変形治療も行うことができます
デメリット・リスク
・創外固定器なのでpin site infection (感染)が起きやすい
・骨化が確実になるまで創外固定器を装着しなければならない(延長後髄内釘を併用する場合は早期に外すことが可能です)
→髄内釘を併用しない場合は延長量にもよりますが片脚一年ぐらいの装着を念頭に入れておいた方がよいです。 左右総計最低2年の装着は念頭に願います。
・キズが髄内釘による脚延長術と比較して目立つ可能性があります。

TrueLok Ring Fixation System
メリット
・太ももおよび脛骨を同時に延長することができます。
デメリット・リスク
・創外固定器なのでpin site infection (感染)が起きやすい
・骨化が確実になるまで創外固定器を装着しなければならない(延長後髄内釘を併用する場合は早期に外すことが可能です)
・キズが髄内釘による脚延長術と比較して目立つ可能性があります。
・器具の変形により修正手術が必要になる可能性があります。

吉野式リングによる脚延長術
メリット
・日本で脚延長の最多の臨床経験を持つ吉野宏一医師の執刀による脚延長術になります。
・髄内釘を併用するので創外固定器を装着している期間は片足につき約2か月です。
デメリット・リスク
・創外固定器なのでpin site infection (感染)が起きやすい
・器具の変形により修正手術が必要になる可能性があります


デバスティアーニ法 (創外固定器+髄内釘)
メリット
・創外固定器はTaylar Spatial Frame より早く外すことができます (2~3か月で外します)
デメリット・リスク
・創外固定器なのでpin site infection (感染)が起きやすい
・変形治癒の可能性
・髄内釘の破損、変形の可能性
・キズが髄内釘による脚延長術と比較して目立つ可能性があります。


Precice(プリサイス)2
NuVasive社の製品です。ERCという磁石を用いた体外装置を用いて髄内釘を延長・短縮します。
メリット
・髄内釘による脚延長です。 
・必要に応じて延長した骨を逆にもどす(縮める)こともできます。
デメリット・リスク 
・荷重は約22Kg までとされています。
・22㎏を超えて荷重をかけた場合は髄内釘が曲がったり、横止めのscrewが折れたりする可能性があります。
・感染した場合は創外固定器による治療になります。


Stryde(ストライド): 2018年に発売開始されたNuVasive社の製品です。ERCという磁石を用いた体外装置を用いて髄内釘を延長・短縮します。
メリット
・髄内釘による脚延長です。 
・Preciceの後継品で約80㎏程度まで荷重が可能とされています。 →即時荷重 すなわち 術後当日から理論的には歩行可能です。
・必要に応じて延長した骨を逆にもどす(縮める)こともできます。
デメリット・リスク
・感染した場合は創外固定器による治療になります。
・2021 年に髄内釘の延長部分のつなぎ目のところで髄内部の骨の小さな浸食がみられたとのことで原因精査のためにNuVasive社がリコール(製品回収)をしてから2023年現在再販売が再開されていません。


by shirayuribeauty | 2023-08-01 23:35 | 美容外科
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