本日ご紹介の患者さんは 右下肢を7cm、左下肢を8cmを延長した患者さんです。
元々右下腿が左下腿と比較して約1cm長く、当初の計画としては5cmまで延長可能なISKDを留置し右は4㎝、左は5㎝延長する予定でしたが、延長計画が順調に進み、途中からご希望が右は総計約7㎝延長したいとなったため、追加でデバスティアーニ法で2cm延長しました。
左下腿は最初から8㎝延長可能なISKDを留置し8㎝延長しました。
左:術前です 右: 右下腿術後約2年 左下腿術後約1年 再診時です
ご遠方からのご受診であり実際の受診は数回の受診の経過でしたが、コロナ禍もありオンラインで途中経過を診察させていただきました。
キズ管理や術後荷重管理は患者さん御自身が整形外科のドクターであるので御自身で完璧になされていました。
身長は術前178cmから最終的には185.5㎝までなられ かつ もともとイケメンであったため 久しぶりにお会いした時はまるでモデルのようでした。
後遺症もなく走れたりしているとのことで「大満足(5/5)」と順調な経過です。
またの御来院をお待ちしております。
各脚延長術の細かいリスク説明に関しては詳記するとかなりの量になりますので、カウンセリングにいらした患者さんには詳記したプリントをお渡しします。年単位での治療になりますのでご希望される方は熟慮願います。
各脚延長術の代表的メリット・デメリット
Taylor Spatial Frame メリット
・変形治療も行うことができますデメリット・リスク
・創外固定器なのでpin site infection (感染)が起きやすい・骨化が確実になるまで創外固定器を装着しなければならない(延長後髄内釘を併用する場合は早期に外すことが可能です)→髄内釘を併用しない場合は延長量にもよりますが片脚一年ぐらいの装着を念頭に入れておいた方がよいです。 左右総計最低2年の装着は念頭に願います。・キズが髄内釘による脚延長術と比較して目立つ可能性があります。
デバスティアーニ法 (創外固定器+髄内釘)メリット・創外固定器はTaylar Spatial Frame より早く外すことができます (2~3か月で外します)デメリット・リスク
・創外固定器なのでpin site infection (感染)が起きやすい
・変形治癒の可能性・髄内釘の破損、変形の可能性・キズが髄内釘による脚延長術と比較して目立つ可能性があります。
ISKD(アイエスケーディー): Orthofix社の製品です。 ラチェット形式て髄内釘を延長します
メリット
髄内釘による脚延長です。 費用がPreciceやStrydeと比較して安い
デメリット・リスク
荷重は約22Kg までとされています。
延長した骨を逆にもどす(縮める)ことができません。
感染した場合は創外固定器による治療になります。
→ ISKDは2021年12月末をもってOrthofix社が製造中止としており現在取り扱いがありません。同等以上の代替延長器具はpreciceとなります。
Precice(プリサイス): NuVasive社の製品です。ERCという磁石を用いた体外装置を用いて髄内釘を延長・短縮します。
メリット
・髄内釘による脚延長です。
・必要に応じて延長した骨を逆にもどす(縮める)こともできます。
デメリット・リスク
・荷重は約22Kg までとされています。
・22㎏を超えて荷重をかけた場合は髄内釘が曲がったり、横止めのscrewが折れたりする可能性があります。
・感染した場合は創外固定器による治療になります。
先日お心遣いをいただきました。
ありがとうございます。どうかお気を遣わないでください
(注:本ブログに掲載している戴きものはその日の記事に記載している患者様からいただいたものとは原則として無関係です)