本日ご紹介の患者さんは左右の下腿をprecice(プリサイス)にて約5㎝延長した患者さんです。
最初に約2年前に左下腿の手術をお受けになられ、一年後に右下腿の手術をお受けになられました。
左:術前です 右:左下腿術後約2年再診時 右下腿術後約1年再診時です
ご感想は普通(4/6)とのことですが、当院知人に勧めたいかとのアンケートに関しては「施術自体が大変であり、十分な説明がなかった。 診察が長時間待たされる。」とのことで「勧めたくない(0/10)」とのことでした。
ご感想は真摯にうけとめ より説明を詳しくするように努力いたします。また現在診察が混みあっており長時間お待たせしてしまうことが多々あることを深くお詫び申し上げます。
各脚延長術の代表的メリット・デメリット 細かいリスク説明に関しては詳記するとかなりの量になりますので、カウンセリングにいらした患者さんには詳記したプリントを今後お渡しするようにしました。
Taylor Spatial Frame メリット
・変形治療も行うことができますデメリット・リスク
・創外固定器なのでpin site infection (感染)が起きやすい・骨化が確実になるまで創外固定器を装着しなければならない(延長後髄内釘を併用する場合は早期に外すことが可能です)→髄内釘を併用しない場合は延長量にもよりますが片脚一年ぐらいの装着を念頭に入れておいた方がよいです。 左右総計最低2年の装着は念頭に願います。・キズが髄内釘による脚延長術と比較して目立つ可能性があります。
デバスティアーニ法 (創外固定器+髄内釘)メリット・創外固定器はTaylar Spatial Frame より早く外すことができます (2~3か月で外します)デメリット・リスク
・創外固定器なのでpin site infection (感染)が起きやすい
・変形治癒の可能性・髄内釘の破損、変形の可能性・キズが髄内釘による脚延長術と比較して目立つ可能性があります。
ISKD(アイエスケーディー): Orthofix社の製品です。 ラチェット形式て髄内釘を延長します
メリット
髄内釘による脚延長です。 費用がPreciceやStrydeと比較して安い
デメリット・リスク
荷重は約22Kg までとされています。
延長した骨を逆にもどす(縮める)ことができません。
感染した場合は創外固定器による治療になります。
Precice(プリサイス): NuVasive社の製品です。ERCという磁石を用いた体外装置を用いて髄内釘を延長・短縮します。
メリット
・髄内釘による脚延長です。
・必要に応じて延長した骨を逆にもどす(縮める)こともできます。
デメリット・リスク
・荷重は約22Kg までとされています。
・22㎏を超えて荷重をかけた場合は髄内釘が曲がったり、横止めのscrewが折れたりする可能性があります。
・感染した場合は創外固定器による治療になります。
Stryde(ストライド): NuVasive社の製品です。ERCという磁石を用いた体外装置を用いて髄内釘を延長・短縮します。
メリット
・髄内釘による脚延長です。
・Preciceの後継品で約80㎏程度まで荷重が可能とされています。 →即時荷重 すなわち 術後当日から理論的には歩行可能です。
・必要に応じて延長した骨を逆にもどす(縮める)こともできます。
デメリット・リスク
・感染した場合は創外固定器による治療になります。