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B医師裁判 東京高等裁判所判決

先日高等裁判所からB医師との裁判についての判決文が郵送されてきました。


結論からいうと私の控訴は棄却され、せっかく意見書を書いてくださったalphaさん や betaさんの御意志に報いることができませんでした。 

高等裁判所は
私(伊藤)が患者さんからこのような話を聞いた」ということの真実性を問題とせず次の2点を真実性の問題としました。

その2点とは


 B医師が、患者さんに、このような話をしたのかどうか、という点の真実性 と

 患者さんがB医師による手術前の説明を受けた結果、鼻に挿入するプロテーゼがI型プロテーゼであると認識していたか否かの事実」という点の真実性

の2点になります。


に関しては高裁の思考回路は、主にB医師尋問、B医師 陳述書をベースに、B医師が患者さんに話した内容を認定しており、かつ、その内容は真実であるという判断をしている、というものです(判決文の事実認定の記載を読む限り、そのように理解される。判決文で、B医師の尋問等を引用しながら、B医師が患者さんに話した内容の認定を記載している)。


次にに関してですが、なぜ患者さんの認識が真実性の立証の対象ということになってしまうのかについては、判決文上、明確な理由の説明はなく、また患者さんがそのような認識をしていたということを、どうやって立証するというのかについても、判決文をどう読んでも、高裁の考えは読み取れません。



単に、患者さんがこう発言したという事実をブログに記載してきた私としては、患者さんの思い違いの可能性もきちんとブログ記事上で指摘して 患者
さんから聞いた事実を記載してきたという自負がありますが、高等裁判所の事実認定はB医師と患者さんとのやりとり(それについては私は知りようがない)に主眼をおいており、こちらの主張と、まったくかみ合っておりません

高等裁判所は 私がB医師に患者さんの診療内容について問い合わせをしていない点を責めていますが、一般的に医師は患者さんの言うことを信じて診療にあたるのであり、過去の治療歴は今後の治療に特段の影響を与えないと判断される場合において忙しい日常臨床において個々の案件について前医に問い合わせたりしません。

たいへん気がかりなこととして、証人尋問期日のかなり前から患者■さんはB医師と会いたくないという意向を強く示しており、私も ついたて 等の遮蔽処置を裁判所に申請しましたが、その意向は全く配慮されること無く遮蔽処置が許可されなかったことです。
当日B医師の前に立たされた患者■さんは顔を上げることができず、裁判官からの問いかけにもうつむいたまま答える状況になってしまいました。当の裁判官はかなり心象を害したようで、証人の気持ちを思いやることも無く強く叱責すると言うなんとも厳しい態度をとりました。人権を最大限正しく守るべき立場の方の姿としてたいへん残念でした。

だからといって裁判官がご自身の感情で事実認定すべき空間位置を変えるとは考えたくはありませんが。


B医師の名前を直接だしたわけでもありませんし、 かつ患者さんから聞いたことをそのまま記事にし かつ 患者さんの勘違いの可能性まで付記したにも関わらず名誉棄損認定されてしまうことは表現や批評の自由の侵害だと思うのは私だけなのでしょうか?

私はB医師の名誉を毀損する意図など当初より毛頭ありませんし、それは今に至るまで変わりません。

患者さんが私に説明した内容、患者さんが私に説明した前医とのやりとりを記載したことが、どうして実社会におけるB医師に対する名誉毀損になってしまうのでしょう。どうしても理解できません。


私が患者さんの発言内容を記載したのは、皆さんに紹介する手術が依頼された経緯を説明することで、その手術の目的、内容を分かりやすく伝えるためにほかなりません。ブログ記事の力点は、B医師が、こんなことを患者さんに言ったのです、などというところにはありません。記事の目的がB医師を批判することにあり、まさにB医師がこのようなことを言ったのかというところを私が問題視してブログに取り上げていたのであれば、私がそれをブログ記事にするにあたっては、本当にB医師がこんなことを言ったのかというところの根拠の有無が問われて、その根拠(調査)が不十分であるとするならば、そのときに私が、なんらかの責任を負わなければならない、ということであれば、それは理解できるものです。

しかしながら、私のブログ記事の目的はそんなところにはありません。このブログ記事の目的も、ほかの投稿記事と同様、あくまで今回の症例、手術の実例を紹介することにしかありません。

手術内容の説明の必要から、患者さんからはこのような説明がありました、という程度のことを、依頼を引き受けた経緯として、説明的に記載したにすぎません。

しかも私は、患者さんの説明内容が患者さんの勘違いである可能性も含めて、明確に指摘して記載しているのです。

それを高等裁判所は、私が前医であるB医師に対し、B医師が本当に患者さんにそのような説明をしたのかどうかを確認するべきであったというのですが、仮にそのような確認をして、B医師が「いやちがう、実際にはこのように説明した」との説明がされたとしても、私のブログ記事に書かれる内容は、「患者さんの説明と前医との説明には齟齬(そご:食い違いという意味)があるので、どちらの説明が真実かどうかは分かりません」としか書けないもので、結局、B医師に問い合わせをしたとしても、今回私が掲載した内容と特に変わらない内容にしかなりませんし、そのいずれの表現であっても、この記事がB医師に対する名誉毀損になるとは到底思えないのです。


名誉毀損の裁判は、判例集や判例雑誌にも、数多く掲載されています。


それらの判例と比較してみたときに、今回の私が巻き込まれた訴訟は、記事の意図と全く違う角度からの名誉毀損があったとの主張をされて、記事の意図と全く違う角度からの名誉毀損の認定がされてしまっている点、真実性の対象についても、記事が伝えようと企図していた部分(患者さんはこう言いましたという事実、手術を引き受ける前提として、患者さんからどのような説明があったのかという部分)ではなく、なぜか、とくに記事が伝えようとしている点からずれて、私の預かり知らない場面の出来事(本当に患者さんの説明した内容どおりのやりとりが、前医との間で行われていたものかどうか)についての真実性の証明が要求されている点において、極めて特殊であると考えます。

果たしてこのような裁判所の判断は許されるものなのでしょうか。医療関係者、法曹関係者の方々にも、ぜひご意見をお聞かせ願いたい(意見送信先: Dr_shirayuri@hotmail.co.jp)ところです。


以下 皆様の後学の参考のために判決文を掲載します。




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by shirayuribeauty | 2019-11-20 23:27 | その他
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