本日ご紹介の患者さんは
前医にて約170万円かけてVライン形成術をお受けになられるも左右差ができ口が締まりにくくなったためそれを治すために顎先プロテーゼを留置してもらうもそのプロテーゼの位置が 不快とのことでご相談にこられました。
担当医は口が締まらない状態を 「学会で他の先生に相談したがわからないといわれた。」とおっしゃるが それが事実か否かもわからずどの先生に相談したかも不明でしたとのことでした。
美容外科後遺症外来のある大学病院形成外科にも相談にいったが治療できないといわれたとのことでした。
既往を聞くと修正手術等を含めて数回にわたる顎先の手術をうけていらっしゃるためオトガイ筋が損傷しており私の手術でも改善する保証はできない旨をご説明し、本来は前担当医に修正してもらうべきである旨をご説明しましたが訴訟も考えているとのことでラポール(信頼関係)が築けていない状態でありました。
前医
の先生は患者さんのご希望をかなえてさしあげようと色々尽力なされるタイプでいらっしゃるのかもしれませんが御不幸にも関係がうまくいかなかったのかもしれません。「もともと 機能不全があるのでどこまで治せるかはわからない それでもよければ治療を試みるが基本的には前医で治してもらってほしい。」と重々ご説明しましたが当院での治療のご希望が強かったためご依頼をお引き受けしました。
治療目標として1.機能回復 2.審美的回復 としました。
治療手段として
1.他院顎プロテーゼ抜去
2.顎先骨切前方移動術
3.顎先アパタイト形成術
4.右下顎縁スティック骨切術
5.左エラ アパタイト形成術
としました。 顎先の骨はかなり削られてしまっって前方移動する骨の量を切り出すは困難のように見受けられましたが顎舌骨筋の付着部がはずされてしまっているせいか顎下がたるんでしまっていたため同部位のゆるみの修正目的に顎先は前方移動し、また足りない分はアパタイトで顎先を形成しました。
右下顎縁は凹凸になってしまっていたので右下顎縁をスティック骨切術をすることで滑らかにし、左エラは削られすぎてしまっていたためアパタイトにて左右対称になるようにエラを形成することとしました。
上段:術前です
下段:術後約3週間再診時です


御感想は「もっと顎が前に出てほしいです。 口は閉まる様になりました。 ありがとうございます。」と「やや不満(2/5)」とのことでした。
機能は幸い改善して差し上げることができましたがまだ審美的欲求を満たして差し上げられていないようです。
もっと顎を出したいということなので輪郭手術の完成後半年経ても希望が変わらなければ手術の御依頼を承る予定です。
またの再診をお待ちしております。