本日ご紹介の患者さんはガミースマイルの改善をご希望されガミースマイル修正術(局所麻酔下骨切術 + 筋肉切除術)をお受けになられた患者さんです。
ガミースマイルの修正法には以下のようなものがあります。
1.
ボツリヌストキシン注射
ボトックスに代表されるようなボツリヌストキシン製剤を上口唇挙筋群に注射してその筋肉の働きを抑える事によってガミースマイルの状態を改善する方法です。効果は約6ヶ月程度です。
2.
Litton and Fournier法(リットン アンド フォルニエル法)
多くの美容外科で行われている方法です。 方法としては歯の生えている上縁約4mm上で切開し上唇溝間の粘膜を切除縫合する方法です。
⇒ 他院でお受けになられた結果、効果がなく粘膜切開部のキズが笑うと見えるようになってしまったという相談をよく受けます。 あまりよい術式とは思えません。
3.
Ellenbogen法(エレンボゲン法)
鼻と唇の間にインプラントをいれて唇が上がるのをブロックする方法です。
⇒ 簡単にできますが上唇挙筋の作用が強い場合プロテーゼが鼻腔内等突出してくる可能性があります。
4.
Miskinyar法(ミスキンヤー法)
口の中を切開し上口唇挙筋群を切除して唇を上げられなくする方法です。
⇒ 眼窩下神経の枝も同時に切られることがあるため痺れがでたり、筋肉の再生による戻りがあり得ます。
5.
Le FortⅠ型骨切り法
上顎骨を短縮する方法です。
⇒ 確実な方法ですが上顎だけLeFort骨切術を行うと下顎がautorotationして前方へ突出してくるため適応を熟慮しないと術後のお顔に対して不満足な結果になる可能性があります。
6.
上顎骨部分骨切術
⇒ 超音波メスで上顎骨を局所麻酔下で部分骨切りすることによりより安全にかつ確実にガミースマイル修正術が行えるようになりました。 現在私はこの方法を好んで用いてます。
今回は上顎骨がよく発達しており、かつ上唇挙筋の働きも強かったためガミースマイル修正術( 局所麻酔下骨切術 + 上唇挙筋部分切除術)でガミースマイルを改善することとしました。
上段:術前です。
下段:術後約2週間再診時です。

御感想は「まあ満足(4/5)」と順調な経過です。
美容外科手術の完成は術後半年です。半年までの間に多少の戻りがあるでしょうか万が一完全に戻った場合は必ずご遠慮なさらず申し出てくだされば幸いです。
またの御再診をお待ちしております。