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三度目の鼻中隔延長術(他院鼻中隔延長術修正術)、小鼻縮小術、小鼻肉厚減幅術、鼻プロテーゼ入れ替え術
本日ご紹介の患者さんは既往としてL型プロテーゼ留置、鼻尖縮小術をA院にてうけた既往がある患者さんです。

ところがB院にて「L型プロテーゼは危ない。入れ替えた方がいい。」と言われB院にてL型プロテーゼからI型プロテーゼへの入れ替え、および鼻尖縮小、鼻中隔延長術をおうけになられたところ鼻先は全くさがらず変化がなかったとのことでした。 その際に片耳の軟骨と鼻中隔軟骨は使用されてしまったとのことでした。

変化がないことを訴えたとところB院の歯科医が「修正手術をしてあげる」とのことだったので依頼したとのことでした。 歯科医で鼻の手術は大丈夫なのか?と疑問に思いそのクリニックの事務に尋ねたところ「目の下の部位だから歯科医でもできる」と言われたとのことで手術をうけたとのことでした。

二回目の鼻中隔延長術はブタの軟骨を用いて鼻中隔延長術をうけたとのことでしたがかえって鼻先が上にむいて高くなり、下に降りずまた小鼻が広がった、鼻柱のキズが目立ってしまったとのことで当院にご相談にこられました。



患者さんがご自身で作成され持参された希望の鼻の形態写真です。
三度目の鼻中隔延長術(他院鼻中隔延長術修正術)、小鼻縮小術、小鼻肉厚減幅術、鼻プロテーゼ入れ替え術_d0092965_3151030.jpg



鼻は拘縮で硬く全く下に動かない状態でしたのでもう肋軟骨しか適切な材料はないと判断するも気胸のリスクがあり持病とのリスクの兼ねあいより手術は断念した方がよい旨を十二分にご説明しても患者さんの意志が変わらないため肋軟骨を用いての前医での手術を含めれば三度目になる鼻中隔延長術の御依頼をお引き受けすることとしました。

カウンセリングの結果 他院鼻中隔延長術修正術、小鼻縮小術、小鼻肉厚減幅術、鼻プロテーゼ入れ替え術をお受けになられることとなりました。

術中所見は鼻中隔軟骨はほぼなくなっており、フニャフニャの豚軟骨?と思われるものが残存している状態でした。


左:術前です         右:術後約1週間再診時です
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御感想はギプスを外す前に記入していただいたので「固定してあって見えないのでわかりません」とのことでした。  医師側としては順調な経過です。

現在内出血や腫れで完成形がわかりづらいかもしれませんが数週間で落ち着くでしょう。
またの御再診をお待ちしております。


追記:20140415

本件を通していくつかの問題点が浮かび上がります

1.L型プロテーゼは入れ替えないと危険なのか?

私の解答としては特段形態が気に入らない等の問題がなければ「鼻先に何らかの症状がでてきていなければ入れ替えをしなくてよいでしょう」ということになります。 
皮膚が薄くなってきた場合や発赤がでてくる場合はプロテーゼが皮膚を突き破って出てくる可能性があり、その場合は鼻先に醜状痕を残す可能性があるため抜去またはI型プロテーゼに入れ替えをした方がよいでしょう。

症状がないのに「危険」と煽って手術をするのは人の不安心理に付け込んでいる印象がぬぐえません。
手術は一定のリスク(皮膚壊死や鼻孔縁の変形等)があるため安易に手術はしない方がよいでしょう。


2.歯科医が鼻中隔延長等の鼻の美容外科手術をしてよいのか?

咬合に関与する場合はLeFortI型骨切術の際のように鼻中隔軟骨の処理等するのは全く問題ないと考えますが、鼻中隔延長等の美容外科手術は違法行為と考えます。 

ただこれとは別件に医師、歯科医師が互いに2年程度の教育で互いの免許試験を受けれれるようになれればとは思います。  口腔医学領域のよりよい発展にとっても望ましいと思っています。


3.ブタの軟骨を使用する安全性や倫理的問題

安全な物を使用していると信じたいです。
ただ術中所見として鼻中隔を延長するのに必要な強度がない印象でした。
自分の軟骨ですら移植した場合は吸収されることがあるのに異種の軟骨がどれだけ人体の中で強度を維持していくのか疑問があります。 基礎的な研究データがあればよいと思います。



先日お心遣いをいただきました。
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ありがとうございます。 どうか御気を遣わないでください。
by shirayuribeauty | 2014-03-29 23:51 | 美容外科
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