本日ご紹介の患者さんは他院 下眼瞼下制手術術後より 三白眼が気になるようになったとのことで三白眼修正術をお受けになられた患者さんです。
術前に他院のカルテを当院にFAXしてくださいました。
術前です。
この方は術前に下眼瞼下制術で留めた糸の位置が記載してある他院でのカルテをファックスしてくださり希望としては「その留めたナイロン糸を外してほしい」とのことでした。 私としては手術操作の過程ででてくれば除去して差し上げるのはやぶさかでないと考えたため「切開してでてきたら外します」とお答えしましたがこれが患者さんにとって「必ず除去する」と約束したと思われたようで術後に大変なトラブルになりました。
右目はそれらしきものを見つけたため除去しましたが左にはそれらしきものを認めず糸玉を探す目的で周囲組織を傷つけると術後の腫れ等ひどくなるため本質的に必要な処置(下眼瞼下制で下げられた組織の解除:これを行えば糸を外したのと同等の効果が生じる)を行い三白眼修正術をおえたのですが患者さんにその旨を伝えたところ「約束した左目の糸をとっていない」と大激怒の状態でした。
その場での再手術を強くご希望されましたが当日の再手術はデメリットが多すぎでできない旨をお伝えしもしご依頼うけた「三白眼修正手術」の効果が不十分であれば後日再手術を行いその時に糸玉を再度探す旨を伝えましたがお怒りは収まらずFAXされた他院のカルテをスタッフから奪いお帰りになられました。
その後三週間以上再診にいらしておりません。
私がご依頼をうけた手術は「三白眼修正術」であり「他院術後糸玉除去手術」ではなかったためサービスとして請け負ったつもりの術中にでてきた「糸外し」がこのような大クレームにつながったことは私としても不本意ですが患者さんの立場としては「糸をはずす」というよりもどうしても「糸そのもの」を取りたかったのだと思います。
お互いの意思疎通が術前に不十分であったことを非常に反省しました。
今後私に手術をご依頼されるかたは絶対的にしてほしいことを正確に強調してほしいと思います。
もしそれが100%できない可能性があったり強行することにより患者さんに不利益が生じると判断した場合は行わない場合を前もって説明しご同意を得てから手術のご依頼を引き受けたいと思います。
大切なのは可能な限り希望を「
正確」に記載していただくことだと思います。
例えば本ケースの患者さんの問診票には「糸をはずしてほしい」 術前の確認シートには「黒目下のナイロン糸をはずしてほしい」と記載してありましたが患者さんの本当の希望は「糸を除去してほしい」だったのだと思います。
当院にFAXでお送りになられた情報はたとえ患者ご自身の情報であってもFAXで送った時点で受信した書類は当院のものになりますのでそれを無理に奪われる行為は刑法に違反する行為と考えます。
ご納得いかないことがありましても大人としてお互い話し合い実力行使等の行為は行わないように願います。
また再診にきちんときていただくこともお互いの約束です。
お互い良識ある大人として約束をまもっていただきたく思います。
お持ち帰られた書類を持参し再診にいらしていただければ幸いです。
お待ちしております。