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他院鼻中隔延長術後修正 :  鼻中隔延長(肋軟骨使用)、鼻尖縮小、プロテーゼ入れ替え術
本日ご紹介の患者さんは既往として他院(B院)にて鼻中隔延長術を希望し同手術をおうけになられるも形や術後の経過が理想とは違っていたので主治医を問い詰めたとこと「実は鼻中隔延長はせずに鼻先に軟骨を重ねていれただけだった。」と告白され施術代を返金してもらったという既往の患者さんです。

その病院にて修正手術をうけるも理想の形でないとのことで当院にご相談にこられました。

鼻の手術の既往が鼻プロテーゼ、鼻尖縮小術、鼻先軟骨移植、をA院で 鼻中隔延長術 とその修正術をB院でお受けになられており多数回にわたるため鼻先壊死等のリスクもある旨をお話しし以前手術を行い中の状態の勝手がわかっている前医にての修正手術を一考くださるようにお話ししましたが当院での手術を強くご希望されたため施術のご依頼をお引き受けすることとしました。

術前の診察では鼻先はカチカチに硬くなっており、ほとんど下に伸びずまた両耳の軟骨の本来ならば利用可能部分がすべて使われてしまっていたたため肋軟骨を用いての鼻中隔延長術をすることとしました。

カウンセリング時の希望内容です。
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患者さんの希望通りに鼻先を下げると鼻先が高くなりすぎて非常に目立つ鼻先になる可能性があるため鷲鼻を軽減しつつ鼻先が高くなりすぎないように鼻先をさげる計画を術前にご説明させていただきました。

上段:術前です。
下段:術後約3週間再診時です。
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必死に手術をした私としてはそれなりの出来栄えと思ったのですがご感想は「下に間延びした魔女鼻になってしまったようですぐにでも修正したいです。」と再診時に泣いて訴えられました。

半年以内の再手術は皮膚壊死のリスクが飛躍的に高いという体感的経験から現在の状態が不満でもなんとか半年は耐えてくださるようにお話しさせていただきましたが「それでもいいから手術してください」とのことでした。


現在の状況がどうしても受け入れられない場合人間は正常な判断ができなる可能性が高く、ここは医師の良心としてこれからの長い人生を考えると万が一の皮膚壊死で取り返しのつかない事態になることを避けるべく半年以内の再手術のお引き受けを心を鬼にしてお断りするのが最善かと信じますが女性に泣かれるとどうも弱い私は「では いったんお家に帰って熟慮してからお電話ください。 リスクをご理解されてどうしてもというのならご予約希望のお電話をください。」と話してしまいました。


でも やはり私は半年待っていただきたいと切に願います。
どうか熟慮してくださいますようお願い申し上げます。



私はかつて 未成年の女性に鼻尖縮小術および鼻尖部軟骨移植を行い術後に「鼻先が細すぎる。 すぐにでも戻してほしい」と懇願され 皮膚壊死のリスクをご説明し半年待つようにという説得を必死にしましたがうけいれてもらえず手術したところ 「やはり鼻先の軟骨も除去してほしい」とその術後にまた懇願され 約1か月半の間に初回手術、細さを戻す手術、軟骨を除去する手術と3回も手術をおこなったケースがありました。  その結果、その女性の鼻は全体が発赤してしまいました。 私に不信感をもった女性は転医されました。
約1年後に私は訴えられました。 その時に送られてきた写真は当院の最後の診察では見たことのないような醜状の傷が右の鼻翼の上にありました。 

なんでそのような醜状が生じているのかわけがわからなかった私は経過を知るべく転医先でのカルテ開示を裁判の初回から求めましたが結局開示されたのは何回もの口頭弁論後の数か月後でした。
そのカルテをみて手術が2回転医先の大学病院で行われていたことを知りました。

患者さんご本人の主張としては最後の私の診察時(某年6月頃)には見えない程度の傷が右鼻翼にあったが(写真では不明)転移先でレーザー治療等の治療をうけている間にそこから汁がでるようになりキズが開いてきたので某年11月に転医先の形成外科医が同部位を紡錘形に切開、縫合した。 しかしそのキズが再度開いたため数か月後に再度同様に紡錘形に切開縫合したところまたキズが開いて現在のような醜状になったとのことでした。

鼻尖手術では直接操作する箇所ではない鼻翼上になぜ醜状痕が生じた経過がわかりました。
現在でもなぜ同部位(鼻翼上)を紡錘形に切って縫合するという稚拙な手術が二回も行われたのか理解できません。
ましてや当時某大学の形成外科の准教授の立場にあった医師が・・・・。
その医師はある事件で訴訟されたことがある医師でした。 本来ならば訴訟の虚しさを知っているはずなのになぜ訴訟を煽り立てるような言動を患者さんにしかつ最悪の手術結果をもたらしたのか・・・・・
まさか自分の味わった苦しみを他の医師にも味あわせたいと内心思っていたのではないかと余計な勘繰りをしたくなります。 

醜状の直接的原因がその形成外科専門医による2回もの手術だということをその時まで隠されていた私は怒りが爆発しそうになり(ちなみにその医師は二度の手術後の醜状痕で彼女が悩んでいることはには全く触れず彼女の鼻の写真を富山での某学術集会でフラクショナルレーザー治療の成功例として提示していました。 私は学会場で愕然としました)徹底的に争うべきか悩みましたが彼女が私の手術をうけさえしなければ某大学病院形成外科にいくこともなくこのような醜状になるような結果にならなかったであろうし、彼女が現在頼れるのはその大学病院の医師であり彼女にとって最後の砦的存在である以上その医師を恨むことはできないであろうから現在の醜状の恨みは一身に私がうけるしかない ましてや相手は本来社会的に保護されるべき未成年であることを鑑みると何年も争って彼女の心に深いキズを残すよりも裁判所の勧告どうり和解をして本人のこれからの再出発を祈ってさしあげるのが自分の為すべきことだと判断しました。

彼女は大学入学前に私の手術をうけました。
大学入学後謳歌したかった青春時代をマスクして過ごすことになりお辛かったと思います。

お詫びと自分自身へのけじめとして未成年のお顔へメスを用いた手術はその件以降一切断刀することとしました。
その後多くの方々が親御さんと共に御来院されお顔にメスを用いた手術をご依頼されましたがすべてお断りさせていただきました。 今後も未成年の方のお顔に美容外科目的での手術のためにメスを握ることはないでしょう。



話が脱線してしまいました。

外科手術である以上一定の割合で不具合の結果が生じ、そのやるせない不満や怒りの矛先は神がつくりたもうた調和した組織にメスをいれる美容外科医である私が受けなければならない私の現世でのカルマだと思います。

私が半年待ってほしいとお願いするのは訴えられたくないからとかいう次元の話ではありません。

万が一皮膚トラブルが生じ、その治癒がうまくいかなかった場合、その後の長い人生において辛い思いをなさるのは患者さん自身であるからです。 

私は合併症の発生率を0%にできる神の手の美容外科医ではありません。
在野の無名な一美容外科医にしかすぎません。
私は患者さんの喜ぶ姿がうれしくて美容外科医になりました。
患者さんが悩み悲しむ姿は辛いものです。     
結果が不満で嘆かれている姿も辛いですがやはり回復困難なキズや後遺症を生じてしまうことはもっともっと辛いことです。 
どうか再手術のご依頼をすくなくとも半年は思いとどまってくださるようお願い申し上げます。
by shirayuribeauty | 2012-03-29 23:45 | 美容外科
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