本日ご紹介の患者さんは既往として約一年前に他院にて他院下顎縁スティック骨切り術をお受けになられたことがありオトガイ神経麻痺が残存している患者さんです。
御希望としては「下顎をけずったことによるたるみの改善、アゴを削ったがやはりしゃくれ感が残るとと顔自体が元々中央が陥没しているので鼻翼基部にプロテーゼを入れ、頬に脂肪を入れて立体感のある愛らしい顔になりたい。 ほうれい線の改善」とのことでした。
術前のお顔です。
レントゲン写真側面像です。
セファロ分析です。
ANBはー3°であり標準骨格図と比較すると下顎前凸、上顎骨凹とわかります。
本来ならばこの方にとってのお悩みの根本的治療は患者さんが手術の侵襲とリスクに同意されるのであれば
LefotⅠ型骨切り術および SSRO(下顎骨両側矢状分割術)だったと私は思います。
パントモグラフィーです。
上段:下顎の状態を展開して撮影しています。
下段:下歯槽神経の走行を赤線で示しています。
第一大臼歯のあたりで下歯槽神経が骨髄から軟部組織内に出現していることを示唆しています。
患者さんは神経麻痺に関する前医の説明不足を気にされていましたが美容外科医の視点からみれば「ギリギリ!?まで下顎骨下縁を骨切りされてずいぶん大変な手術だったでしょう」 と前医の先生をねぎらう言葉となりますし
歯科等の他科の先生からみれば「下歯槽神経まで傷つけるような手術をしてかつ
下顎骨の骨量もごっそりなくなるような手術をしてやりすぎや」
となります。
視点がかわれば評価も変わります。
骨がなくなったことによる下顎のたるみはまず脂肪を吸引し余った皮をリフトで引き揚げる予定としました。
中顔面の凹みに関しては本来ならばLeFortⅠ型の骨切り術の適応と考えますが患者さんが入院してまでの大がかりな手術は希望しないとのことでしたのでday surgeryで御希望をかなえるべく骨膜下ミッドフェイスリフト、鼻翼基部プロテーゼ、鼻口唇角ブロテーゼ、 FAMI法脂肪移植等を行いました。
上段:術前です。
下段:術後約5カ月再診時です。
今後ネックリフト等にて首のたるみ等を除去する手術をお受けになられる予定です。
またの御来院をお待ちしております。
追記記事:
20150105
先日お心遣いをいただきました。
ありがとうございます。 どうかお気を遣わないでください。