今日は1893年に日本が世界に誇る真珠王:御木本幸吉氏が初めて真珠の養殖に成功した日になります。
本日ご紹介の患者さんは他院にて婦人科美容外科(小陰唇、陰核包皮縮小形成術)をおうけになられるも左右差が気になるとのことで当院での修正手術をご希望された患者さんです。 診察の結果、sulcus praeputiolabialis部分の余剰粘膜皺襞である外々側ヒダの取り残しもあり左右差が著しいため前医での修正術お勧めしましたが当院での手術を強くご希望されたため修正術をお引き受けすることとしました。
左:術前です。 右:術後半年再診時です。
(症例写真はエキサイトの規約に抵触する可能性があるためリンク先で表示しています。外性器等の写真で不快になられるかたはリンクをクリックしないでください)
「左右差が気にならなくなりとても気に入ってます。」とのご感想で「御満足(5/5)」と順調な経過です。
sulcus praeputiolabialis部分の余剰粘膜皺襞(適切な日本語名がないので私は患者さんに説明する際は「外々側ヒダ」と呼んでいます)は切除すると出血も多く解剖学的に様々な形態があり術者としてはあまり手をつけたくない部位になります。 形式的に出血の少ない部位の陰核包皮のみ切除すれば形式的には「患者の希望した手術をした」となりますが本来の患者さんの希望をかなえたことにはなりません。 それどころか新たな悩みを生じさせてしまうことになります。
sulcus praeputiolabialis部分の余剰粘膜皺襞(解剖学的にはanomalyです)は普通の医学書や解剖学の本には載っていません。 婦人科美容外科手術は上手くやろうとも雑にやろうとも評価されない分野の手術ですからあまりきちんと解剖のanomalyまで頭に叩き込んで手術する先生が少ないかもしれません。
残念ながらこの部分の取り残しの修正手術や縫合糸の食い込み痕で芋虫のような形態にされてきて修正をご希望される方々が非常に多いです。
患者さんは「手術したけど何かがおかしい?」と悩んで私のところにこられます。
解剖をよく理解し埋没法で用いるような極細の糸を用いて丁寧に手術を行えばこれらの異常形態は避けることができます。
もし美容外科医でこのブログを読まれている方がいらしたらそこの部分の整形処置をきちんとしてあげて頂きたく思います。
評価されない仕事でも手を絶対抜かないのが外科医として大切だと思います。