ふくらはぎスリム形成術 (NICR:Non Incisional Calf Reduction)
本日ご紹介の患者さんはふくらはぎスリム形成術 (NICR(非切開式腓腹筋退縮術):皮膚切開を行わず選択的神経処理を行う術式をお受けになられた患者さんです。

上段:術前です。
下段:術後1週間再診時です。(写真は患者さんの快諾を得て供覧しています)
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術後一週間なので全く変化はわかりません。
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術後の痛み等は楽で患者さんの負担が少ないのがこの術式の長所です。


今までふくらはぎを細くするには脂肪吸引が一般的でしたが筋肉質の方のふくらはぎを細くするには脂肪吸引では限界がありました。 ボツリヌス毒素によるふくらはぎの縮小も効果としては3ヵ月程度なのが現状です。 神経遮断術(neurectomy)は良い方法なのですが内側腓腹筋のみの委縮しか狙えないのが欠点でした。 TCR法は絨毯爆撃のごとく筋肉をラジオ波で焼いて委縮を期待する方法であり術後の瘢痕形成による繊維化による引き攣れの危険性の問題がありました。
NICR法はラジオ波で筋肉内の神経をピンポイントで特異的に処理する方法であり、最少侵襲で内側のみならず外側腓腹筋をも細くでき、ヒラメ筋を損傷しないという点で画期的な方法だと思います。 
本法の開発者であるthe line plastic surgery clinic の院長先生であるJae Ho,Cho先生に初の外国人への指導という機会に幸い御指導していただきNICR専用の機械を韓国より購入したところその医療機器のチーフマネージャーがわざわざ来日し日本で一番最初にこの機械を販売したのが私:一美容外科医とのことでしたのでまだまだ日本では一般的ではありませんが今後広まっていくと思います。

ただこの方法は解剖を熟知した医師が適切な方法で行わないと思わぬ合併症が生じることがあります。
実際韓国では本法による訴訟が起きているようです。
しかし東亜日報の記事に記載してある「ともすれば難治性神経痛をもたらす施術とされている」というのはあくまでも可能性であり実際は報告はされていないようです。

脂肪吸引だろうとなんだろうと外科的手術を行えば複合性局所疼痛症候群 Complex regional pain syndrome: CRPS を起こす可能性はあり得ます。 ただし非常に稀です。

可能性だけでいえばタクシーに乗っても交通事故で死ぬ可能性もありますし局所麻酔を打っただけでもショックを起こして亡くなる人もいるでしょう。
そういえば先日ある形成外科の教授がヒアルロン酸の自己注射はショック死する可能性があると発言したとマスコミ記事に記載してありましたが(本当にそのような発言をしたのかどうか真実かは不明です)、非常に稀なケースを持ち出して患者さんを畏怖させるのはどうかと思います。

Cho先生によるとある一人の医師による乱診乱療とも呼ぶべきかなり乱暴な施術だったようですが(原因はCho先生の口から聞くとそんな方法で行えばなるほどさもありなんという内容でした)異国の訴訟故、基礎資料が手に入らず正確な情報(Cho先生の言っていることが事実か否か)はわかりません。 

私の知る範囲いでは本件訴訟で問題になったのは複合性局所疼痛症候群のような難治性神経痛やヒラメ筋への支配神経の障害による永久的な歩行障害の問題ではなく乱暴な手術操作や稚拙なアフターケアによる拘縮が原因の腓腹筋の痛みやそれによる歩行障害のようです。
実際他医による適切な処置により歩行障害が残存した患者さんはいないと聞いています。

運動器の守護神であるべき整形外科専門医がこのような天から賦与されている運動機能を逸失させる(少なくとも腓腹筋が一定量委縮すれば筋力は低下するでしょう。たとえ日常生活には問題は生じなくともトップアスリートを目指している方はこの手術を受けるべきではありません)美容外科施術行為を行うのは問題があると自身思う反面、運動器をかつて専攻した医師として解剖を熟知し安全に施術を提供し得ると判断するのであればそれを社会に提供し、もし問題があればそれに対して警鐘を鳴らすのも一つの社会貢献の在り方なのかなとも思っています。

手術というものはどんな手術であれ一定のリスクがあります。 また執刀医の力量によりそのリスクの期待値は変動します。 そのリスクが自身にとって許容できるものなのかよくご判断され、安易な宣伝に乗せられず熟慮されて施術を受けるか否かを判断されるのがよいと思います。


先日お心遣いをいただきました。
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ありがとうございます。 どうか御気を遣わないでください。
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by shirayuribeauty | 2009-04-02 00:59 | 美容外科
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