今日は1877年の4月16日、札幌農学校(現 北海道大学農学部)教頭のウイリアム・スミス・クラークが、「Boys,be ambitious」の言葉を残して北海道を去ったことに因んだボーイズビーアンビシャスデー になります。
本日御紹介の患者さんは以前御相談メールをくださった患者さん{(
2007年12月28日ブログ記事)および(
2010年11月18日ブログ記事)}です。
3人の
形成外科専門医の手術を経て私のところへいらっしゃいました。
相談時の写真です。
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凹凸状態が明らかであり陰核の位置も判然としませんでした。
三人の形成外科医(
2+
1)の執刀を経てもこれでは患者さんがかわいそうだと思います。
いったい小陰唇、陰核包皮縮小手術にどのくらいの時間と費用を費やしてきたのでしょうか。
今回この凹凸状態を改善し、切除されすぎてなくなってしまった陰核包皮を再形成し、かつ陰核の位置をはっきりさせるべく修正術を行いました。
同時に肛門美的形成術も御希望されたので同時施術を行いました。
左:術前です。 右:術後約1カ月再診時です。
(外性器の全体像はエキサイトブログの規約に反する可能性があるため当院HP上の右欄の「婦人科・肛門」のタグにてパスワード制で閲覧可能としています。 手術を御検討されていて閲覧御希望の女性はクリニックまでお電話くだされば幸いです。)
表面の凹凸は改善し、陰核包皮は再医形成され、陰核の位置もはっきりし肛門の形態もきれいになりました。
術後1カ月なので(美容外科手術の完成は約半年かかります)、まだ多少の腫れぼったさと硬さはあるのですが御感想も「満足です(5/5)」と順調な経過です。 その後3カ月以上再診にいらしておりません。 、
御遠方で大変でしょうが定期的な検診は重要です。便りがないのはよい便りと思いますがまたの再診をお待ちしております。
2006年の3月に一人目の医師の執刀をうけたとのことですから実に5年がかりの修正になったと思います。 心身共に大変だったと思います。 お疲れ様でした。
この小陰唇縮小手術ですが知人の形成外科専門医に尋ねても「小陰唇縮小手術などやったことない」と言われたりします。 大病院の産婦人科医としてハードな日々を送っている知人の産婦人科専門医にいたっては「え? そんなことする人(患者)がいるの? 」とのリアクションをかつてされ私もびっくりしました。
当院では婦人科手術の修正手術ご依頼が多いのですが実際は一般的な病院ではほとんど行われてはおらず簡単そうで実は奥が深い手術だからだと思います。
解剖学的なanomaly(亜型)には注意が必要です。
私がアドバイスとして申し上げることができることといえば「「専門医商法」「経歴商法」にだまされないように。 」 ということです。 喧伝しなくても紹介や口コミで患者さんはいらっしゃいます。 できる医者ほどそんなものを喧伝していません。
山口大学教授の柴田二郎先生は著書「医者のホンネ」という本で「専門医制度は医の堕落である」と看破されていました(柴田先生はその信条で専門医の取得をボイコットされています)。医者同士におけるお互いのアイデンティティー確認ぐらいの意味しかもたないはずの専門医の肩書きが医療法でも広告可能になりまさにアメリカ型の専門医商法が日本を侵食しつつあります。
経歴に至っては医療法第2節第6条の5にて広告許可事項に含まれていないにも関わらず多くの医院でインターネットにおける法制度の不備をついて広告事項となっています。
雑誌広告においては「取材」という形態を用いて多くの宣伝広告がなされていて実際の医療法の精神が骨抜きとされています。
以前、雑誌社から「取材させていただきたいのですが」とご連絡がきて「ぬー 自分もそんな身分になったのかのう?」 といぶかしがりましたら、あっさり「取材形態の有料広告です。」とのことでズッコケました。 自分もそのような営業をうけるまでDr対談系記事の裏のカラクリをしりませんでした。
最近では「2ちゃんねるやYAHOOの知恵袋での 口コミで貴院に有利な書き込みをします」という業者がたくさんアプローチしてきます。
インターネットの美容外科のポータルサイトではお金を積んでや広告やランキングを上位にすることができるようです。
医療法の精神を骨抜きにする行為や患者さんを欺く行為や宣伝が野放しになり営利目的で「患者を釣る」ことがなされているのは嘆かわしいと思います。
震災で大変な日本ですが国民一人一人が賢くなりよりよい国になることを祈ります。
追記:本患者さんは後日ご連絡をくださいました (2011.06.13追記)