本日御紹介の患者さんは
日本形成外科学会認定専門医/日本美容外科学会認定専門医/日本美容医療協会適正認定医/アメリカ形成外科学会会員(ASPS member)/国際美容外科学会会員 (ISAPS member)/日本熱傷学会専門医/日本乳癌学会評議員/日本熱傷学会評議員/日本再生医療学会評議員 などのたくさんの御立派な!?資格!?タイトル!?をHP上で標榜するA医師が行ったという「培養軟骨移植術」を鼻背に何回かにわけて受けたところ鼻筋がボコボコとなり鼻先が上向きになってきたため修正を依頼するも修正できないとのことだったので今度は鼻の美容外科で有名というB形成外科専門医で鼻先に耳軟骨移植をうけるも改善せず再度耳軟骨移植を同医師の執刀にてうけるもますます鼻孔がみえやすくなったとの主訴にて御相談にこられた患者さんです。 診察をおこなったところ確かに鼻の穴は丸見えです。 触診上 A医師による培養軟骨移植をうけた鼻背は骨様の凹凸がありガチガチデコボコでした。 二度にわたる耳軟骨移植をうけた鼻先はこれもまたガチガチで触診上はまったく鼻先は下におりませんでした。 そもそも鼻先をおろして鼻孔を見えにくくするのであれば鼻先に軟骨移植をおこなってもあまり意味がありません。 鼻中隔延長手術を行わなければなりません。 B医師はポリシーとしてそのようなリスクが高い手術を行ないとのことでしたが鼻先軟骨移植は本件のようにあとからひきつれを起こして鼻が上を向き鼻孔が見えやすくなることがあるので私は適応ではないと考えます。 もちろんB医師の危惧するとおり鼻中隔延長手術もそれなりにトラブルが生じえる手術ではあるので正解はありません。 培養軟骨移植はまだまだ発展途上の技法だと思います。 形成外科の先生方は側頭筋膜を鼻背にいれたり培養軟骨をいれたりいろいろ自家組織で鼻背を作るように努力されますが数年後に鼻先があがってきて大変悩まれている患者さんを私はたくさんみてきています。 患者さんは「そんなリスクのある説明は受けなかった」と異口同音におっしゃいます。 なぜ後から患者さんが悩むかもしれない方法をそのようなリスクがあることを説明せずそのような施術を行うのか全く理解できません。 もっとも患者さんが自己にとって都合の悪いことは忘れているだけかもしれませんが・・・ 本来ならば医学的には手術という侵襲の必要のない美容外科の患者さんを○○専門医等の資格商法で集めようとしている団体や学会、名医紹介本がありますがその胡散臭さははっきりいって唾棄すべき対象です。 初診の段階で私はほぼ匙をなげ「申し訳ないけどこれだけガチガチに癒着していると剥離すると皮膚が壊死するリスクがあって御依頼を引き受けるには修正を引き受ける当方のリスクが高すぎる。鼻中隔延長は危険すぎる。 鼻孔縁延長でも怖い。 いままで執刀をうけた医師達にできれば再度相談してどうにかしてもらってほしい。 壊死しても絶対に恨まないと約束できるなら御依頼を御引き受けするがよく考えてほしい。」とお話しました。 しかし「どうしても」との御依頼にて施術をお引き受けすることとなりました。 上段:術前です。 下段:鼻孔縁下降術 術後1週間再診時です。 (写真をクリックすると拡大します) 上記の写真をみると美容外科の医師も含めてほとんどの方が「鼻中隔延長もやっているんじゃないの?」と思われるでしょうが おこなっておりません。 おこなったのは 修正目的剥離術(骨膜含む) と 鼻孔縁下降術 のみです。 御顔のところどころが黄色かったり内出血があるのは骨膜剥離等による内出血がまだ術後一週間で吸収されきってないからです。 あと一週間程度で内出血はほとんどなくなるでしょう。 患者さんは「(すごい鼻先が下がって) 自分の鼻じゃないみたい」とおっしゃっていましたがそのうち目が慣れると思います。 とりあえず本件においては皮膚壊死が生ぜず御希望通りに鼻孔が隠れてほっとしました。 P.S. 追記記事を2011.07.21に掲載しました。 閑話休題 最近 連日午前様 であり先週は 2時 3時 4時 の終業 先日にいたっては脇山先生と私の二人が各々隣同士の部屋で手術を行いお互いの手術が終わったのが5時でスタッフは始発で帰宅という一般の美容外科としてあり得ない状態となってきました。 5時にオペが終わった日の八時半には某病院の病棟、オペ室と忙しかった私はその日の夜には精根尽き果てたような状態になりました。 先日師匠である勝間田先生にいわれました。 「このままだと先生は(過労死という意味で)患者に殺されるよ」 昨日ある患者さんに「手術に4時間ぐらい待たされた」とお叱りをうけました。「薄利多売で患者詰め込みすぎなんだよ!」 「間違って予約をいれられたのにそのスタッフからの謝罪がない! スタッフが全くなっていない」と散々たるクレームをいただきました。 私としては薄利多売をしようとは全く思っておらず一日の手術件数は1~2人に制限を指示しています。カウンセリングも目、鼻や輪郭の伊藤への御相談はいまや新規のスムーズな受け入れは不可能な状態になっています。 施術料金はポリシーに従って決めさせていただいております。 ポリシーとして再診を断らず、一回一回の再診・処置・手術に全力投球して決して妥協をしないようにすると大変な混雑となってしまっているのが現実です。 確かにその患者さんのおっしゃるとおり「手術前に3~4時間待つことがあり得ることをきちんとアナウンスすべき! 最初から知っていたらここでは手術を受けなかった! 」というのは妥当な御意見だと思うのでここでアナウンスさせていただきます。 現在大変混みあっており予約時間通りに診療・手術が進行しない可能性があります。 私:伊藤医師の受診を御希望の方は3~5時間待ちになる可能性も充分ありますのでそれが許せる方のみ私の施術を受けるか否かを検討してください。 スムーズな予約・待たない再診・手術を御希望の方は誠に申し訳ありませんが他院をご検討していただければ幸いです。 また再診等予約を御取りの際は予約を御取りした担当者名を必ず記録しておいてください。 よろしくお願いします。 本当にお願いします。 一生懸命手術した患者さんにクレームをいわれ心が砕け今日も忙しく、夜も更け わけわからないブログになってしまったかもしれません。 皆様おやすみなさい。
by shirayuribeauty
| 2011-01-28 02:50
| 美容外科
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